北見北斗高校から武蔵野美術大学視覚伝達デザイン学科に進学。卒業後、会社員や高校の美術教員を経て、現在は東京で絵本作家兼イラストレーターとして活動している。
友人の子どもに絵本を読んであげた時の喜ぶ姿に絵本の力を感じた。職場の先輩から人気絵本のカレンダーをもらい、最近の絵本の自由さを知ったことも創作のきっかけとなり、2019年秋ごろから本格的に描き始めた。
「おすしアイドル」でMOE創作絵本グランプリ
デビュー作「おすしアイドル」は絵本雑誌MOE(白泉社)が主催する「創作絵本グランプリ」で、応募総数726作の中から選ばれた。マンガ編集者の夫に「まずは見てもらうことが大事」と背中を押され、締め切り当日にダメ元で応募した作品だったそうで、グランプリ受賞の知らせに「夢だと思い、数日間、実感がわかなかった」と当時の驚きを振り返る。
物語は、人気低迷中のおすしアイドルが敏腕アイドルプロデューサーによって特上のアイドルへと大変身し、夢のステージへと駆け上がっていくサクセスストーリー。有名アーティストの衣装やパリコレを参考にしたという豪華なすしネタのドレスや、「ときすでにおすし…いやおそしね」などといった〝おすしギャグ〟が散りばめられたコミカルでユーモア溢れる。審査員からは「お笑い要素だけでなく、夢を叶えるためにみんなで頑張るスポコン要素もあり、彼女たちを心から応援したくなる」との講評を受けた。
描きたい気持ちがどんどん湧いてくる
山崎さんは「夢に向かって前向きに努力する姿やそれを支える裏方のかっこ良さを感じてほしい」と、作品に込めた思いを語る。
幼少期から絵を描いたり、漫画のストーリーに自分の姿を重ねて空想の世界を楽しんでいたことが絵本作家の原点。プロデビューを果たした今も「プレッシャーはありません。描きたい気持ちがどんどん湧いていきます」と目を輝かせ、物語のアイデアストックは200本以上と明かす。絵本作家として「目の前に子どもがいることを忘れず、子どものための物語を生きている限り描き続けていきたい」と、楽しい気持ちを次回作にもぶつけていく。(理)