佐治さんは、NASAの客員研究員として1977年のボイジャー計画に携わるなど、長年にわたり宇宙について研究を行ってきた理論物理学の「第一人者」のひとり。
この日、北半球(日本)から肉眼で観測できる星は3000個ほどであると説明し、「その中に宇宙人はいるのでしょうか」と参加者達に語りかけた。
「星は長い年月をかけて誕生と死を繰り返す」と佐治さん。もし地球のような惑星になるとすれば最低でも1万年かかると解説し、「いつか地球のような星が生まれ、宇宙人が誕生するかもしれませんね」と語った。
また、人類が宇宙人を探す理由を「戦争といった地球が現在抱える問題の『相談相手』が欲しいのでは」と推測。宇宙研究への切実な思いを解説した。
最後に佐治さんは「宇宙人が戦争などで滅亡してしまうか、私達も同じ道を辿るか。皆さんはどちらを『選び』ますか」と問いを投げかけた。
そして「戦争をやめて、いかに『人類が生き延び、長生きするか』を考えることこそが、宇宙人に会うための命題なのです」と強く訴えかけた。
参加した小5男子児童は「先生の説明が分かりやすくて面白かった」と笑顔。宇宙人について「どこかにいると思うし、ちょっと怖いけどいつか会ってみたい!」と楽しそうに話していた。
佐治さんはこの日の講演について「私達は宇宙でただひとつの命ある存在かもしれません」と語り、続けて「遥か宇宙にまで『友達』を求めているのに、なぜ戦争をしてしまうのか。命の大切さを感じていただけたら」と込めた思いを語った。(結)