NPO法人オホーツク文化協会主催の「第3回この人と語ろう」。会場には同センターの収蔵品7点を含む、油彩・水彩画計32点が展示され、約100人が来場した。
勝谷さんは美術団体・一水会の常任委員、日本水彩画会会員。1962年、全北見美術協会(現オホーツク美術協会)の創立に関わり、89年から現在まで北見の美術集団「GROUP斜面」の同人を続けている。
11月10日で91歳を迎える勝谷さん。「この年までずっと飽きもしないで絵を描き続けてこられた」と語り出し、絵に夢中になった少年時代や高校時代に美術に目覚めたきっかけなどを回顧した。
トーク終盤は来場者の質問に応じた。雪景色を描く際の色使いについて「とにかく現場で自分の感覚を総動員して感じたものをしっかり見て色を付けている。真っ白く見える色とはどんな色なのか、その人の感覚で色をとらえて」と、現場主義に重きを置く勝谷さんならではアドバイスを送った。
風景画を描く際の場所選びにこだわりがあるか、という質問には「描こうと思う時はまっさらな気持ちで見ている。どういう風にしたらいいかを考えながらなんとなく取りかかっていて、こだわりはないかもしれない。自分の感覚だけが頼り」。
また、制作時は「実物と同じに描くという気持ちはあまりない」と言い、第三者から「まるで本物」と言われることもあるが現場と絵を比べると「意外に違う」と明かす。制作中は風景の中にどんな動勢があるのかを感覚的に探り「それを感じる絵を大事に描いている」と話した。(理)