公共交通の運転手は全国的に不足し、路線を減便、廃止するケースが相次いでいる。
町は、このまま運転手不足の深刻化が進めば、路線バスにとどまらずスクールバスの運行にも支障が生じると判断。2022(令和4)年度から取り組んできた、2種免許取得費の支援、1年ごとに24万円を最長3年間支給する育成支援金、最大20万円の住宅準備支援金などの制度をさらに進める形で、協力隊員の募集に踏み切った。
廣田さんは、旅行で訪れたのを機に、オホーツクに魅力を感じ、協力隊員に応募。「空気が良く、落ち着いた街並み。空港も近い。町民皆さんの笑顔が(応募する)決め手になりました」と語る。
ビジネスホテルやビール会社での勤務経験があり、協力隊員に採用される前は10年ほど札幌市に在住。主にコールセンターに勤務した。
14日は町民会館で委嘱状交付式が行われ、平野浩司町長が委嘱状、阿寒バスの香川眞廣社長が同社の制服をそれぞれ廣田さんに手渡した。廣田さんは「人の役に立てる仕事がしたいと思っていました。恩返しができるよう頑張りたい」と抱負を述べた。
委嘱状交付式で激励
廣田さんは大型2種免許の取得後、町内巡回バスなど路線バス、スクールバスの運転手を務める。雇用は阿寒バスが行い、町が業務委託する形。給与の一部は協力隊員の報酬分を充てる。
平野町長は「運転手は地域の公共交通、町民の将来にとってもなくてはならない存在」、香川社長は「慣れない環境での生活になるが、頑張っていただきたい」と激励した。(浩)