全国初・バス運転手に地域おこし協力隊員

2024-11-19 掲載

(美幌町/社会)

三重県出身・廣田剣さん

 美幌町は14日、バス運転手確保対策として、地域おこし協力隊員に三重県津市出身の廣田剣さん(46)を委嘱した。廣田さんは阿寒バス美幌営業所に勤務し、大型2種免許を取得後、運転業務をこなす。美幌町によると、協力隊員が交通事業者のバス運転手として活動するのは全国で初めてという。

大型2種取得など美幌町がサポート

平野町長から委嘱状、阿寒バスの香川社長から制服と制帽を受ける廣田さん(中央) == 株式会社伝書鳩|経済の伝書鳩|北見・網走・オホーツクのフリーペーパー ==
平野町長から委嘱状、阿寒バスの香川社長から制服と制帽を受ける廣田さん(中央)

 公共交通の運転手は全国的に不足し、路線を減便、廃止するケースが相次いでいる。

 町は、このまま運転手不足の深刻化が進めば、路線バスにとどまらずスクールバスの運行にも支障が生じると判断。2022(令和4)年度から取り組んできた、2種免許取得費の支援、1年ごとに24万円を最長3年間支給する育成支援金、最大20万円の住宅準備支援金などの制度をさらに進める形で、協力隊員の募集に踏み切った。

 廣田さんは、旅行で訪れたのを機に、オホーツクに魅力を感じ、協力隊員に応募。「空気が良く、落ち着いた街並み。空港も近い。町民皆さんの笑顔が(応募する)決め手になりました」と語る。

 ビジネスホテルやビール会社での勤務経験があり、協力隊員に採用される前は10年ほど札幌市に在住。主にコールセンターに勤務した。

 14日は町民会館で委嘱状交付式が行われ、平野浩司町長が委嘱状、阿寒バスの香川眞廣社長が同社の制服をそれぞれ廣田さんに手渡した。廣田さんは「人の役に立てる仕事がしたいと思っていました。恩返しができるよう頑張りたい」と抱負を述べた。

委嘱状交付式で激励

 廣田さんは大型2種免許の取得後、町内巡回バスなど路線バス、スクールバスの運転手を務める。雇用は阿寒バスが行い、町が業務委託する形。給与の一部は協力隊員の報酬分を充てる。

 平野町長は「運転手は地域の公共交通、町民の将来にとってもなくてはならない存在」、香川社長は「慣れない環境での生活になるが、頑張っていただきたい」と激励した。(浩)

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