ロボット相撲は、幅、奥行きそれぞれ20㌢以内(高さは自由)、重さ3㌔以内の機体を使う。直径1・54㍍の鉄板の土俵上でぶつかり合い、相手の機体を土俵の外に出すなどして勝利を目指す。
プログラムで機体が動く自立型の部と、送信機で操作するラジコン型の部があり、今回は石田さんが自立型、野原さんがラジコン型に出場。10月に旭川市で開かれた北海道地区予選会では野原さんが準優勝、石田さんが3位に入賞し、全国大会に駒を進めた。
全国大会は自立型、ラジコン型とも32人が出場。石田さんは1回戦、2回戦に勝ち、準々決勝まで進んだ。野原さんは初戦で敗れた。
石田さんの機体は「チャンコΩ(オメガ)」。大会に向け、機体前部のブレードを通常と逆向きに取り付け、土俵への密着性を高めることで、相手の機体に下からすくわれるリスクを減らした。「以前は下に入られて負けることがありましたが、それがなくなりました」。守りが手薄な側面を攻撃するようプログラミングした作戦もうまくいったという。
野原さんの愛機は「隆太号」。機体底面の磁石の磁力を上げ、石田さんとは異なるアプローチで接地力を高めた。全国大会は初戦で苦杯をなめたが「相手とぶつかっても吹っ飛びづらくなりました」と手ごたえをつかんだ。
顧問の松村将志教諭は「2人とも全国大会の緊張感の中、機体の確認作業などをしっかりこなしてくれました」と戦いぶりをたたえる。
チャンコΩ、隆太号とも先輩たちから受け継がれ、4年目を迎える機体。「昔からものづくりが好き」(石田さん)、「おもちゃをよく分解していました」(野原さん)という2人は「自分たちができる限り強くして、後輩に受け継ぎたい」。熱い思いを心に秘め、来年の大会を見据える。
石田さんは「ブレードをさらに改良して、作戦を極めたい」、野原さんは「今年は夏に入部したばかりで、作戦が弱かったので、来年はしっかり練って臨みたい」と目標を述べている。 (浩)