注目の「プロポーザル」~網走市のごみ処理~ ㊤

2025-01-09 掲載

(網走市/本紙連載)

市内の経営者ら関心高く

 網走市は昨年12月の市議会で、ごみ埋め立て処分場と破砕リサイクル施設の管理・運営を委託する業者を選定する上で、公募型プロポーザル方式を導入することを唐突に説明。本紙は市議会での議論の内容を紹介したところ、複数の読者から疑問や不安の声などが寄せられた。改めて、市が実施する公募型プロポーザル方式について調べてみた。 (大)

競争入札とどこが違うの?

■企画を重視

 市が委託業者を選定する方法は、①一般競争入札②指名競争入札③随意契約④プロポーザル(随意契約)―がある(※地方自治法で定められている)。

 ①と②は入札価格で決定。網走市の場合、委託業者を選定する際の大半は、競争入札が用いられる。その理由は、「シンプルに『金額』で決められ、公平性を保てるため」(網走市の担当職員)。

 公募型プロポーザル方式は、入札金額ではなく〝企画〟や〝提案〟内容が重視される。

 委託を希望する事業者は、市の求めに応じた企画・提案書を提出する。また、役所職員らからなる選考委員会に対してヒヤリングする。

 選考委員会は企画・提案内容とヒヤリングに対して採点する。この採点が最も高かった事業者が委託を受けられる仕組みだ。

金額ではなく〝企画〟や〝提案〟重視
自治体職員「公平性の説明難しいのでは」

■役所に有利?

 プロポーザル方式について、管内自治体の男性職員は「競争入札と異なり、役所にとって有利に進められる」と教えてくれた。

 何が有利なのか?

 「競争入札は入札価格というシンプルな部分で選べる。応札した事業者に対する役所側の『好き』『嫌い』という感情抜き。一方、プロポーザル方式はそうではないので役所側が有利になります」

 公募型プロポーザル方式の注意点は何か?

 男性職員は「市民に対して『公平・公正に選定した』と説明することが難しい。ゆえに、公共事業・工事を民間に委ねる際、大半は競争入札により決定しているのだと思う」との見解だ。

■不安

 網走市役所が、公募型プロポーザル方式を導入するのは「極めて少ない」(幹部職員)。

 本紙は先月、今回の公募型プロポーザル方式についての市議会での議論の様子を紹介。掲載後、様々な声が寄せられるようになった。

 市内の男性経営者Aさんは「今後、私の業種でもプロポーザル方式が導入されるのか不安」と胸中は複雑だ。

 北見市と網走市に事務所を構える会社の男性役員Bさんは「競争入札の経験しかない。網走市役所は地元事業に何を求めているのか。とても不安」と話していた。

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 次回は、網走市議の一部が懸念する「地元業者の仕事が奪われる」という点などについて紹介する。

キーワード

  • プロポーザル
  • ごみ処理

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