■企画を重視
市が委託業者を選定する方法は、①一般競争入札②指名競争入札③随意契約④プロポーザル(随意契約)―がある(※地方自治法で定められている)。
①と②は入札価格で決定。網走市の場合、委託業者を選定する際の大半は、競争入札が用いられる。その理由は、「シンプルに『金額』で決められ、公平性を保てるため」(網走市の担当職員)。
公募型プロポーザル方式は、入札金額ではなく〝企画〟や〝提案〟内容が重視される。
委託を希望する事業者は、市の求めに応じた企画・提案書を提出する。また、役所職員らからなる選考委員会に対してヒヤリングする。
選考委員会は企画・提案内容とヒヤリングに対して採点する。この採点が最も高かった事業者が委託を受けられる仕組みだ。
金額ではなく〝企画〟や〝提案〟重視
自治体職員「公平性の説明難しいのでは」
■役所に有利?
プロポーザル方式について、管内自治体の男性職員は「競争入札と異なり、役所にとって有利に進められる」と教えてくれた。
何が有利なのか?
「競争入札は入札価格というシンプルな部分で選べる。応札した事業者に対する役所側の『好き』『嫌い』という感情抜き。一方、プロポーザル方式はそうではないので役所側が有利になります」
公募型プロポーザル方式の注意点は何か?
男性職員は「市民に対して『公平・公正に選定した』と説明することが難しい。ゆえに、公共事業・工事を民間に委ねる際、大半は競争入札により決定しているのだと思う」との見解だ。
■不安
網走市役所が、公募型プロポーザル方式を導入するのは「極めて少ない」(幹部職員)。
本紙は先月、今回の公募型プロポーザル方式についての市議会での議論の様子を紹介。掲載後、様々な声が寄せられるようになった。
市内の男性経営者Aさんは「今後、私の業種でもプロポーザル方式が導入されるのか不安」と胸中は複雑だ。
北見市と網走市に事務所を構える会社の男性役員Bさんは「競争入札の経験しかない。網走市役所は地元事業に何を求めているのか。とても不安」と話していた。
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次回は、網走市議の一部が懸念する「地元業者の仕事が奪われる」という点などについて紹介する。