独自に企画し初開催

2025-01-20 掲載

(北見市/社会)

湧別町出身・江藤主事

悲惨な災害死をなくしたい

 == 株式会社伝書鳩|経済の伝書鳩|北見・網走・オホーツクのフリーペーパー ==

 真冬に親子で体験する「極寒サバイバル~防災A・P(アクションプログラム)」(11、12日)は道立青少年体験活動施設ネイパル北見(北見市常呂町栄浦)が独自に開催した。企画から当日の運営まで担当した同施設社会教育主事の江藤めぐみさん(写真)は「悲惨な災害死が少しでもなくなればと企画した。参加者の感想を聞き開催して良かった」と振り返る。

 防災A・Pは、道内6施設のネイパルがそれぞれ、独自に開発した体験プログラムに基づき、災害時に地域住民が主体的に安全な行動ができるよう、学んで活かす取り組み。ネイパル北見では昨年、夏のリアル防災キャンプを実施している。

 江藤さんは湧別町出身。2013年3月1~3日の暴風雪により「町内で発生した悲惨な事故が忘れられない」という。

 小学生の一人娘を車に乗せて帰る途中、猛吹雪の吹きだまりに突っ込み、近くの家に避難しようとした町内の親子が翌朝発見され、父親は娘を守るように覆いかぶさって力尽きていた。凍死だった。

 同じ暴風雪により中標津町で母子4人が車内に閉じ込められ死亡した事故にも心を痛め、今回、暖房の無い車内体験を実施。参加者から「密閉空間での子どもの感覚の対策が必要」「冬ならではの備蓄を準備しようと思った」などの感想が得られた。

 極寒避難訓練と題した体験では消防による模擬の煙が充満するなか、おとながパニックに陥ったのに対し、低い姿勢の子どもに誘導され助かった場面も。

 振り返りでは「(防災訓練を)習慣にしたい」という前向きな感想が聞かれ、励みになった。江藤さんは「来季もネイパルオリジナルの企画ができれば」と考えている。 (寒)

関連記事

検索フォーム

キーワード

地域

表示順

 

カレンダー