万が一の際の護身術を警察官から学ぶ、日本赤十字北海道看護大学1年生の授業が23日、同大体育館で行われた。北九州市や長野市で通り魔的な殺傷事件が相次ぐなか、学生達は犯罪から逃れる心構えを聞き、襲われた場合の防御を実技で学んだ。
道警北見警察署の二階堂裕介氏と北見方面本部の一戸勇人氏が講師で出向き、1年生50人が受講した。
最初に、最近の無差別殺傷事件にふれ、講師は「いつ危ない目に遭うか分からない。あとから後悔しないよう学んでほしい」として、対策を「他人事のように思ってもらいたくない」と真剣に話した。
実技指導では、襲ってくる相手の腕を取ったり、返したりする護身術の「肘寄せ」「腕回し」など7つの手本を実技で講義。「いろいろな人に会うと思うが見えない人にも注意して」と、突如襲われた際に役立つ、相手の力を利用した「押し払い」術も教えた。
受講した松井のえるさんは「実際の場面で護身術を使うのは難しいかもしれないが、知識があると万が一に役立つはず」と感想。
講師は、若い人や学生さん向けにと「身に着けているペンやスマホで一撃をくらわし、相手から離れるのも自分の体を守るための一つの方法」と〝秘伝の術〟も伝授。「今の世の中、思っているほど平和ではない。いつ巻き込まれるか分からない。心構えを持ち事件に遭わないようにすることが大事」と説いた。
授業は同大学の「スポーツと健康科学Ⅱ〜逮捕術」の中で開催し、山本憲志教授は「看護師となってからも病院に不審者が現れたり、院内で暴れる患者もいるかもしれない。今回の講義を思い返してほしい」とまとめた。 (寒)