
人とヒグマのあつれきの顕在化を踏まえ、道は人とヒグマの新たな関係構築をめざす北海道ヒグマ管理計画を昨年12月に改正した。20日、北見市民会館で開いた捕獲従事者向けヒグマ講習会でその内容の一部を報告した。
それによると2022年末の全道のヒグマ個体数は約1万2200頭(中央値)と推定。1990年の5300頭(同)に比べ約2・3倍に増加した。また2014年時点の個体数1万500頭(同)を100としたときの22年の指数は116で「8年間に15%程度増加している」という。
ヒグマによる農林業の全道被害額は2022年が2億7100万円で、被害が多いのはデントコーンが48%、ビート18%の順。
捕獲頭数は22年度の940頭に対し、23年度は1804頭とほぼ倍増している。
人身事故の発生件数は近年、年度ごとの増減が大きく、この5年間の全道の死亡・負傷者合計は20年度が3件3人、21年度が9件14人、22年度が3件4人、23年度が6件9人、24年度は1月28日までに3件3人となっている。
このような実態から改正・管理計画では、被害対策の強化へ個体数管理を実施し、人とのすみ分けを図るゾーニング管理やモニタリングによる順応的管理を推進する。なかでも、あつれきを低減するための個体数調整には、ヒグマ捕獲従事者の育成と確保が欠かせないとしている。 (寒)