屈斜路カルデラトレイルが6月2日に開通したことを受け24日、美幌警察署や網走警察署など関係各所が一体となり、同トレイルでヒグマ出没対応訓練を実施。負傷者の救護訓練には、道警本部航空隊のヘリコプターも出動した。
全国的に市街地でのクマ出没事案が増える中、さきごろ開通した同トレイルでもヒグマによる人身被害が懸念される。利用者の安全確保と、関係機関の連携体制の確認を目的に実施された。
美幌町、津別町、大空町の消防、猟友会など関係者約80人が参加。実際のクマ出没事案に対応できるよう、訓練参加者には内容を伏せたまま実施。本番さながらの緊張感で行われた。
コースの外は熊笹が生い茂り、負傷者やクマがいても見つけにくい状況。このため、航空隊がヘリで上空から確認し、地上の関係者へ伝達。その情報をもとに、猟友会や救護隊が熊笹の中を捜索した。
最後に、美幌警察署の小林伸也署長は講評で「管内のヒグマ目撃件数は5月末で81件、前年同期より34件も多く、毎年のように人身事故が発生している。本日の訓練を通じ、各機関が課題を共有して改善に努め、万全を期していただきたい」と述べた。 (知)