
北見の浦上(うらかみ)彩奈さんがこのほど、国家資格である和裁技能検定の2級に合格した。道内からは9年ぶりの合格者で、浦上さんは「一人でも着物を着る人が増えてくれたらうれしいです」と話している。
浦上さんが和裁を始めたのは2017年。家に眠っていた祖母の着物を着たいと思ったのがきっかけだったそう。小柄な祖母の着物を着るためには着物の長さも幅も直す必要があり「自分で直せるようになりたい」と和裁を習うようになったという。
18年に北見に引っ越してからも和裁を習い続けた。3年前に本格的に和裁士になりたいと一念発起し、仕事をやめて和裁に専念。2級合格をめざし、これまでの「習い事」とは違うプロとして必要な知識と技術を身につける勉強を続けてきた。
23年に初級である3級に合格。そして今年、めざしてきた2級を手にした。「全然自信がなくて、インターネットで自分の番号を見ても合格のはがきが来るまでは信じられませんでした。はがきを手にして、じわじわと合格の実感がわいてきました」と喜びを噛みしめる。
和裁の魅力を「1枚の布を直線に断って縫う。徐々に着物の形になっていくのが楽しいですし、着る人のことを考えながら縫うのもとても楽しいです」と語る。
2級合格を受けて今年「和裁工房うらやか」を立ち上げ、和裁士として一歩踏み出した。
さらに高い技術力が必要となる1級の受験については「実務経験が必要なため今はまだ受けられませんが、いずれは取得したい。まだ縫えないものもあるので、仕事をしながら勉強を続けていきたいです」と目を輝かせている。 (菊)