■トレイルって?
記者(60歳目前の男性)は先日、NPO法人きよさと観光協会が事務局を務める「まちづくり清里地域協議会」主催のトレイルツアーに参加。以前から、北海道東トレイルには興味があり、今回のツアーに胸を躍らせた。
そもそもトレイルって何?―と思われた読者のために簡単な説明を。トレイルとは、森林や原野などにある「歩く道」で、徒歩旅行やジョギングなど、楽しみ方はさまざま。登山と比べ〝準備や覚悟〟は軽くすむのが魅力だ(※記者の個人的感想)。
2024年10月に開通した北海道東トレイルは、「知床・阿寒摩周・釧路湿原」の3つの国立公園をつなぐ全長約410㌔のロングトレイル。記者が参加した「裏摩周外輪山・神の子池トレイル」は、清里町が整備した。
■霧の摩周湖
ツアー当日、午前7時に清里町にある情報交流施設「きよーる」に集合。30人の参加者一行はバスに乗り込み、小雨の降る中、スタート地点の摩周湖第一展望へ向かった。同展望台に到着した時は、残念ながら深い霧に包まれていた。
ツアー担当者から「本日は決行することにしました」とのアナウンスを聞き、記者は「気合入れて歩くぞ」と覚悟を決めた。
30人の参加者は2グループに分かれ、5時間ほどにおよぶのトレイルウォーキングをスタートさせた。
■歓声
スタートから2時間ほどは小雨が降ったり、止んだり。霧も漂い、本来は絶景が広がっているであろう、トレイル周辺の景色を楽しむことはできなかった。ただ、日常生活ではなかなか体験できない森林空間を歩きながらしっかりと味わった。
しだいに雨は止み、着用していたレインジャケット・パンツを脱ぐと、気分も軽くなった。
歩くペースも心なしか速くなってきたとき、霧の合間から摩周湖の湖面が見えてきた。雨と霧でテンションが落ちていた参加者からは当然、歓声が上がった。
■参加者の声
摩周湖の湖面を這うように漂っていた霧がどんどん薄くなると、足取りも軽くなった。歩いている途中、ふと見上げると樹木の葉が風に揺れ、空が見え隠れしていた。単純に心地よかった。
今回のトレイルツアーのゴール地点である裏摩周展望台に到着したのは、午後2時過ぎ。登山のような疲れはなく、60歳間近の記者にとっては気軽に楽しめる一方で、〝手応え〟のある森林散策だった。
遠軽町から登山仲間と参加した女性は「トレイルは以前から興味がありました。今回はあいにくの天気でしたが満足できました」と声を弾ませていた。
釧路市から友人と2人で参加した女性は「摩周湖第一展望台から裏摩周展望台までのコースを歩いてみたかった。念願がかない嬉しいです」と話していた。
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北海道東トレイルについての詳細は専用サイトなどでチェックすることができる。また、北海道トレイル川湯オフィス(080-2128-7689)でも対応してくれる。