
「身体の内側から活力を取り戻す薬膳生活~食材の組み合わせでパワーを最大限に生かす~」このキャッチコピーに魅せられて、6月29日、北見市緑のセンターで開催された薬膳講座に参加しました。講師は、和漢薬膳師の佐藤優美(すぐみ)さん。
「薬膳」と聞くと、何か特別な食材を特別な調理法で食べるような、難しいイメージがあるかもしれません。ですが実際は、身近な食材で、さほど手間をかけずに取り入れられるそうです。佐藤さんによると、普段食べている食材が、どんな効能があり、身体にどう作用するかを知ると、自分の体調に合わせて食材を選ぶことができます。
五味、五性、五色など食材の持つ性質に着目
例えば、「ジャガイモ」はビタミンCが豊富で消化不良や胃痛の改善効果が期待できます。「ニンジン」は貧血や目の健康に、「ピーマン、パプリカ」は血の巡りをよくする働きがあります。
食材には、身体を冷やすものや温めるものなど、5つの性質「五性」(熱性、温性、平性、涼性、寒性)があります。
夏によく食べる「キュウリ」「スイカ」「トマト」「レタス」などは寒性で、体を冷やします。そのため温性食材の「ショウガ」「シソ」「ニンニク」など辛味の薬味を加えると冷やし過ぎを防げます。また、「カボチャ」と「豆乳」を一緒に取ると糖尿病予防に、「チンゲン菜」と「玉ネギ」の組み合わせはストレスの緩和に効果が期待できるそうです。
糖尿病やストレスなど〝現代人の悩み〟緩和にも期待
カンタン薬膳・冷製スープを試食
この日は佐藤さんお手製の、夏の暑さを癒してスタミナを強化する、「カンタン薬膳、冷製スープ」を試食しました。寒性食材(キュウリ、ワカメ)と、温性食材(ショウガ、松の実)などを使っていて、さっぱりとしていて、夏バテで食欲がなくても食べられそうです。ほかに、なつめの実とクコの実で作ったお茶も試飲しました。甘味料は使用していませんが、ほんのり甘く美味しかったです。
また、メンタルケア心理士として活躍する佐藤さんは、高校時代に摂食障害を経験しており、「朝と昼はほとんど食べず、我慢したストレスで夜にドカ食いをしていた。でも、朝をしっかりと食べるようにしたら、ドカ食いをしなくなった」などと話し、食事と心の健康についての関係や、心と体を整える食事の大切さを伝えてくれました。
最後に、参加者から「食べ合わせの悪い食材は何ですか?」と質問があり、佐藤さんは「次回に生かし、パワーアップしたい」と笑顔で答えました。パワーアップした講座も楽しみです。
身近な食材で健康になれるなら、やって損はない。次の買い物では薬膳の効能を思い出しながら、野菜売り場を回ってみようと思います。 (知)