
美幌高校教育振興対策協議会(松本直樹会長)が28日、美幌町役場で開かれた。高校の魅力向上、入学者の確保に向け、教育支援事業について協議。新たな取り組みとして、生徒募集の支援や高校の魅力発信を担うコーディネーターを配置することが報告された。
2025年度の美幌高校の入学者は36人で、24年度の73人から半減。定員80人の普通科は1間口40人を下回る23人だった。こうした状況が数年続けば間口減につながる可能性が高いとみられ、北海道教育委員会の公立高校配置計画案(26~28年度)でも、普通科は9月頃の計画決定時に定員を公表すると記されている。
状況打破に向け、25年度は、24年度まで4年間参加した「地域みらい留学」を通じて得たノウハウを生かし、参加を取りやめる代わりにコーディネーターを配置。道内外からの生徒募集や、SNSによる魅力発信などを担ってもらう。
地域おこし協力隊の制度を活用する考えで、5月に公募型プロポーザルで審査を行い、事業者がFoundingBase(東京)に決まった。9月までに着任する予定という。
このほか、夏休みや冬休みなどで寄宿舎「報徳寮」が閉寮する時期に、部活動などで町内に留まる生徒の宿泊費の2分の1を支援する制度も設けた。
生徒募集の取り組みでは、11月までにオホーツク、道北を中心に中学校延べ77校を訪問。特に道北は、再編統合で酪農に関する学科がなくなったことから、美幌高校の川添雅文校長は「牛舎を改築したばかりで、寒冷地作物についても学べる。クロカンスキーなどスポーツも盛んな美幌高校をしっかりPRしたい」と力を込めた。
意見交換では「小学生、中学生のうちから高校を訪れ、生徒と交流したり、学校の雰囲気を肌で感じる機会があれば、印象が変わるのでは」と意見があった。 (浩)