北見市はネット仮想空間を開設
■仮想空間
北見市の2024年度の不登校小中学生は280人で、全体の3・8%を占めた。
今年8月、市は不登校対策としてネット上の仮想空間「あおぞらパーク」を開設。自分の分身となるキャラクターを画面上で操作し、学習したり参加者同士で交流することもできる。パーク内には相談室もある。
同市教委は利用者の様子なども考慮し、学校への出席扱いも可能としている。
パークの開設時間内であれば入退室は自由。利用する子どもはネット環境が整っていれば自宅のパソコンなどで仮想の学校に通い、友人を作ることが可能になる。
同市教委は「自分の意思によりパーク内での学習に取り組める点などがオンライン授業とは異なる」とする。すでに利用する子どもはおり、効果に期待している。
網走市は相談アプリ、美幌町は民間と連携強化
■相談アプリ
網走市教委は昨夏、いじめ相談報告アプリ「スタンドバイ」を導入。市内の小中学生に配備したタブレットPCなどから匿名でいつでも相談でき、専門家が応じる仕組みだ。
網走市の不登校数も増加傾向にある。24年度は小中学生合わせて101人(全体の4・8%)で、過去5年で最も多かった。
これまで、カウンセラーによる個別相談などの対策を講じてきた。相談報告アプリ「スタンドバイ」を通じて寄せられた相談は、24年度で300件を超す。
同市教委は「〝入り口〟段階での相談に応じられる環境づくり」とする。
■民間力
美幌町の24年度の不登校児童生徒は55人で全体の5%を占める。
不登校の早期発見や別室登校といった環境整備などに力を入れる一方、町内にある民間運営のフリースクールとの連携も強化している。
フリースクール側とは不定期ながらも不登校生についての情報交換する場を設けている。また、フリースクールを利用した場合、学校の出席扱いを可能とする措置も取っている。
町教委は「子どもにとっての選択肢を増やすことが大事」としている。