
美幌町文化財審議委員会の現地見学会が17日に開かれた。義務教育学校の整備候補地になっている美幌小学校のカシワを見学し、今後のあり方について委員が意見を交わした。
義務教育学校は、美幌町教育委員会が2031年度の開校を目指している。開校に向け今後、美幌小の増築・改修が計画されており、増築・改修に伴い、文化財のカシワに影響する可能性がある。
見学会は委員、博物館学芸員、教育委員会職員ら10人ほどが参加。樹齢220年ほどとみられる校舎前の代表的な2本をはじめ、指定されている敷地内のカシワ9本を見学した。
いずれのカシワも多くの葉を広げているものの、博物館の鬼丸和幸館長は、木の幹の内部が空洞化し、支柱で枝を支えていたり、過去に治療をしたカシワがあることなどを説明した。
義務教育学校の整備に伴い、影響を受ける可能性があるが、樹高13~15㍍、幹回り180~350㌢の大きさなどから、移植は現実的でないことも示した。
委員は、残すことが前提としつつ「無理なのであれば後継木を残す選択肢もある」「指定木から種子を取って受け継ぐことも考えられる」などの意見があった。
「シンボリックな樹木。卒業生がカシワに抱いている思いを大切にするべき」とする意見もあった。
小室保男教育長は、美幌の小学校教育がこの場所から始まり、100数十年を経て義務教育学校として再びまとまる流れに触れ「丁寧に議論をし、話し合いを重ねて結論を出していきたい」と述べた。
この日は、同じく文化財に指定されているベニバナヤマシャクヤクの自生地も見学。自生地の日当たりを良くするための下草刈りなどの取り組みが報告された。 (浩)
