初回は始発の美幌駅から上美幌駅まで、2回目は豊幌駅(美幌町)から高校前駅(津別町)まで、3回目は恩根駅から大昭和駅までを紹介した。今回の最終回では、その先「開拓駅」から終点「北見相生駅」までを紹介する。
仮乗降場の「開拓駅」(津別町)は、始発の美幌駅から数えて12番目となり、今は広大な畑が広がっている。13番目は「布川駅」(写真①)。津別町営バスの布川停留所付近にあったようだが、痕跡は残っていない。写真②は布川駅に貼られていた時刻表。手書きに時代を感じる。写真③は、布川付近を走る列車。
14番目は終点の「北見相生駅」。写真④は最終日に行われた「さよなら相生線」イベントの様子。前田さんは「美幌と津別の町長も来て盛大に行われた。相生線廃止を惜しむ多くの人で、会場は埋め尽くされた」と振り返る。写真⑤のラッセル車は今もこの場所で保管されている。
始発の「美幌駅」は現在も石北本線の駅として利用されている。終点の「北見相生駅」は道の駅「あいおい」として利用されており、当時の駅舎や列車も残っている。それ以外の駅は、ほとんど痕跡はない。大自然の中を駆け抜けた列車を思い浮かべながら、車を走らせた。
(写真はすべて1985年頃のもの)
【相生線】
当初は美幌と釧路を結ぶ「釧美線」として計画され、1924(大正13)年に美幌駅から津別駅までの区間が開業し、翌年に津別駅から北見相生駅までの区間が開業した。この時点ではまだ、北見相生駅から釧路方面へ向かう延伸計画は残っていた。しかし、1931(昭和6)年に「釧網本線」が全線開通したことを受け、延伸計画は中止となった。
全長36・8㌔、14駅(駅8、仮乗降場6)の単線。地域に親しまれた相生線は、1985(昭和60)年3月31日をもって廃線となった。 (知)
