連載 借金返済が大変?! パート2 ㊤

2025-11-13 掲載

(網走市/社会)

網走市の〝台所〟事情

 北海道が公表した、道内市町村の決算(速報値)によると、市の標準財政規模においての収入に対する借金の返済割合を示す2024年度の実質公債費比率(※)は、網走市が15・8%で全道2位だった。厳しい台所事情が続く中、市は令和7年度までの5カ年の収支不足を約28億円と見込む一方、収支不足を約10億円までに圧縮する計画を立て取り組んでいる。 (大)
(※収入に占める借金返済額の割合)

収支不足28億円を10億円に圧縮へ
全道2位の実質公債費比率
第5次行政改革推進計画を実行中

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■10億円に圧縮

 市は、前市長時代(平成10~22年)に初めて行政改革推進計画を策定。現在は第5次計画(令和3~7年度)が実行されている。

事務事業見直しなど推進

 第5次計画は令和4年2月に策定。この計画では、計画期間中の5カ年で約28億円の収支不足が見込まれるとした。しかし、行革計画に沿った各種取り組みを進めることで、令和7年度までには収支不足を約10億円に圧縮する―としている。

 〝10億円に圧縮〟という目標を達成するため、計画では「事務事業の見直し」などを進めるとしている。

前市長時代は人件費削減に注力
職員数を484人から357人まで削減

■教訓

 前市長時代の網走市の財政状況はひっ迫していた。前市長2期目の平成14年度の市の借金残高(一般会計の市債残高)は533億円とピークに達していた。

 平成19年、夕張市が財政再建団体に転落。当時の網走市は「第二の夕張になる」ともささやかれていたほどだ。

 こうした厳しい状況の中、前市長は第1次、2次計画を策定。第2次計画の最終年度となった平成22年度の借金残高は379億円となり、ピーク時より150億円以上減らすことができた。

 本紙取材に対し、前市長は「当時は人件費を削ることに集中した」と振り返る。実際、初当選した平成10年の職員数は484人だったが、勇退した同22年は357人までに削減した。(職員数は4月1日時点)

 また、庁内各部署に既存事業の1割をカットするよう指示。それまでの伝統事業であったハーフマラソン大会を中止するなどして支出を抑えた経緯がある。

 …………………

 次回は、今後控える大型公共事業などを紹介する。

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