
訓子府民謡同好会で活動する斉藤初子さん(82)=町東町=が、北海道民謡連盟杯全道民謡決勝大会(札幌市、10月)で80歳以上の人が出場する寿年の部で見事優勝した。
かねてから歌が好きで、自分の時間が持てるようになった60歳を過ぎてから民謡を始めた。現在は同好会で週1回の例会のほか、大会前には「毎日声を出して練習してきました」。
斉藤さんは北見地区予選で優勝し、出場権を得た。カラオケも趣味で楽しんでいるが、民謡とは異なる歌い方の癖がつかないようにと今年はカラオケを控え、民謡に重きを置いて取り組んできたそうで、7月には第31回石狩川流れ節全国大会で最高賞の名人位に輝くなど、結果を残してきた。
決勝大会の同部には16人が出場。斉藤さんは羊蹄山(通称・蝦夷富士)の雄大さや美しさをテーマにした「蝦夷富士の唄」を披露した。この曲を歌うにあたり、今年の春には、見たことがなかった羊蹄山を見ようと、娘とドライブに出かけ、北の大地にそびえたつ、その美しさを肌で感じてきた。声のメリハリや声量、言葉などを意識することで山のスケール感を表現した。
「日ごろの練習通りに」と心がけて挑んだ本番。「抜けてしまうところもあって自分では100点満点ではなかったですが、優勝できて嬉しかったです」と喜びを語る。
「1位だから完璧ということはない。まだまだ」と語り、節回しなどの歌い方をはじめ、音程や息継ぎなど「基本と周囲への感謝の気持ちを忘れず、続けられるうちは続けていきたい」とさらなる意欲をみせている。 (理)