
■8割
市は今月9日の定例市議会で、古都宣裕市議の一般質問に答える形で市長交際費による慶弔費の支出基準を初めて公表。対象は「国会議員や地方自治体の長、市議会議員、市職員」などで、本人のほか親族も含めている。
本紙取材によると、全国の多くの自治体で市長交際費の支出基準を設けており、香典の支出対象者に「市職員」を含めるケースがあることがわかった。ただ、職員らの「親族」を含めた事例を探すことはできなかった。
網走市の市長交際費による令和6年度の「香典」支出件数は32件(計32万6500円)で、このうち親族と思われるのは26件。全体の8割を占めた。
■親族
北見市は市長交際費を公開している。令和6年度の「香典」支出件数は17件(計21万5500円)。大半は元市議・町議で、このほかは北見まちづくり協議会委員(1人)と市職員(1人)、民生・児童委員(1人)だった。〝親族〟は1人もいなかった。
網走市の令和6、7年度の市長交際費による「香典」支出の内訳表の大半は黒塗り=写真=。こうした状況を踏まえ、今月9日の定例市議会・一般質問で古都宣裕市議は「市としての(香典を支出する際の)判断基準が見えていないため、公的支出なのか、(水谷市長の)個人的に交友のある人への支出なのか第三者はわからない」と指摘し、支出基準の整備などを求めた。
古都氏のこの質問に対し、市の担当部長は「市長交際費の公開は法的な義務付けはない」との見解を示していた。