
花が咲き乱れる原野に羅臼川が流れている様子を詠んだ句だという(花野は秋の季語)。
名塩呑空(本名・良造)は1883(明治16)年、大阪で生まれた。1911(明治44)年に北見で雑貨店を開業し、14(大正3)年に菓子問屋の名塩商店(株式会社ナシオ)を設立。42(昭和17)年には「志のある子ども達のために図書館を」と、駅前にあった店舗を市に寄贈し、北見市に図書館が誕生した。
俳人としても知られており、北見の俳句仲間、唐笠何蝶や吉岡秋帆詠らと俳誌「阿寒」を創刊するなど、熱心に活動。市立中央図書館には功績をたたえ、胸像とともに俳板が設置されている。
句碑はもともと、1958(昭和33)年に市内の河西ぼたん園に建立されたが、85年に現在地に移設。同校地内の茶室(研修施設)入り口付近で、今も堂々としたたたずまいを見せている。
※同校地内は私有地のため、一般は見ることができません。