網走「スポトレ天文台」30周年

2023-06-02 掲載

(網走市/文化)

観望会など通じ天文ファンに親しまれ

 網走市呼人の公設「スポトレ天文台」が開設30周年を迎えた。天体観望会を通じて、網走から見える星空観察を来場者に楽しんでもらっているほか、さまざまな天文の話題を提供し、天文ファンに親しまれている。コロナ禍明けの今シーズンは、活発となっている太陽黒点など昼間の観望会も増やし、市民とともに観察活動を盛り上げていきたい構え。

開設当時から案内役務める桑野 真行さん

天体望遠鏡を操る案内役の桑野さん == 株式会社伝書鳩|経済の伝書鳩|北見・網走・オホーツクのフリーペーパー ==
天体望遠鏡を操る案内役の桑野さん

 スポーツ・トレーニング・フィールド管理棟の屋上に、網走市により設置され、1993(平成5)年5月5日に運用を開始した。口径(直径)35㌢の天体望遠鏡がパソコンと連動し、星の名を入力すると自動で望遠鏡を動かして捉えた星をレンズ越しに見ることができる装備を備える。

 開設当時から案内役を務める市内のアマチュア天文家・桑野真行さん(71、東亜天文学会会員)が「煌星(きらぼし)観望会」と名付けた観察会を春から秋に年間10回程度企画。これまでに延べ7千人余りが来場している。

 1997年に最接近したヘール・ボップ彗星や火星の大接近の際には、ひと目望遠鏡で見ようと行列ができた。「北海道のほうが観察条件が良い、と遠く大阪から駆けつけた熱烈ファンやオートバイで北海道旅行中にたまたま立ち寄った若者もいました。皆一様に網走でもこんなにきれいに星が見られるんですねと口を揃えるんです」と桑野さん。夏休みには市内外の小学生らが訪れ、天文の専門知識を持つ〝博士くん〟が出現するなど、夢を育む場所となってきた。

 新型コロナ感染予防対策のこの3年間は、観望会を中止したり、1人ずつ観察するなど制限をかけてきた。緩和した今季は毎回10人ほどを受け入れ、5〜10月に計14回の観望会開催を予定している。

煌星観望会は延べ7千人余りが来場
今年も多彩な話題テーマに計14回の開催を予定

 今月の観望会は黒点活動を活発化している太陽や宵の空に輝く金星などを観察。その後も夏から秋にかけての星座や流星群、見頃の土星の輪など多彩な話題をテーマに開催する。

 入場無料。観望会の際のみ開館。参加希望者は開催前日午後3時までに桑野さん(090-8707-6258)へ連絡を。昼間の観望は事前申し込み不要で直接会場へ。6月の開催は次の通り。

【3日】
 午前11時〜午後1時、黒点、金星

【9日、10日】
 午後7時〜9時、金星、初夏の星雲星団

【23日、24日】
 午後7時〜9時、金星、月齢5のクレーター(寒)

スポトレ管理棟の屋上に設置 == 株式会社伝書鳩|経済の伝書鳩|北見・網走・オホーツクのフリーペーパー ==
スポトレ管理棟の屋上に設置

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