連載 子どものため?先生のため?網走市の部活動地域移行㊤

2023-10-05 掲載

(網走市/社会・教育)

教職員の負担軽減と少子化が背景に

 中学校の部活動を市民や民間団体が担うことは可能なのか?―。網走市教委は先日、10人の市民らからなる「部活動地域移行検討協議会」を立ち上げた。少子化などの影響で、市内中学校では近年、かつて人気のあった部活動が姿を消す事態が起きている。また、部活動の指導に大きな負担を感じている教職員もいるようだ。網走市においての問題、課題などを調べてみた。(大)

市教委が「部活動地域移行検討協」立ち上げ

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■〝流れ〟の発端

 国は今年度からの3年間、休日における学校部活動を地域に移行させる「改革推進期間」と位置付ける。この期間内に関連する取り組みを進める自治体は、国からの支援を受けられる。

 国が学校部活動を地域に移行させたい背景の一つに、学校(教職員)の働き方改革がある。

 2017(平成29)年、文科省の中央教育審議会は中間まとめで、部活動に関して「必ずしも教師が担わなければならない業務ではない」とした。その後、文科省やスポーツ庁、文化庁は部活動改革に関する方針やガイドラインなどをまとめ、各市町村でも休日の学校部活動を地域に移行するよう促している。

 こうした経緯を踏まえると、休日の部活動を地域に移行する最大の目的は「教職員の負担軽減」とも受け取れる。

2年前、第三中で5つの部が入部停止
スポーツ・文化面で活動、活躍する場の維持を

■5つの部が姿消す

 国は、学校の働き改革を機に部活動の地域移行に舵を切った。しかし、網走市の場合は、教職員の働き方改革以外にも、「進む少子化」という問題も含まれているようだ。

 市内で最も生徒数が多い第三中学校は2年前の春、野球部や陸上部、女子バレー部、テニス部、パソコン部の入部を停止した。5つの部が同時に入部停止となったことについて、一部の生徒・保護者らは驚き、混乱した。

 5つの部の入部を停止した理由について、当時の同校関係者は本紙取材に対して、①入部希望者の減少②指導者(教職員)の負担軽減―と答えてくれた。

 当時の三中の対応は、複数の網走市議も問題視。昨年6月の定例会・一般質問でも、同市教委は市内小中学生がスポーツ分野で活動・活躍できる場を確保するよう求められた。

 ……………………

 三中で5つの部が姿を消したように、網走市においては、少子化を背景に小中学生がスポーツ・文化面で活動・活躍する場は減少している。

 次回は、市民らからなる同協議会が教職員らを対象に実施するアンケート調査などについて紹介する。

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