■変わりなく
ネットなどで公開される、人口戦略会議の報告書(4月24日発表)では、全国の4割以上にあたる自治体が、若年女性(20~39歳)の大幅な減少に伴い、将来的には「消滅する可能性がある」とされた。
同会議は、国立社会保障・人口問題研究所が昨年12月に発表した「日本の地域別将来推計人口」を基に分析。「消滅可能性自治体」の定義は、2020年から2050年の間、大都市への人口流出が続いた場合の「若年女性人口の減少率50%以上」とした。今回の分析は〝少母化〟にも着目して進められた。
分析結果を踏まえ、同会議は「実態としては、少子化基調が全く変わっていないことに留意する必要がある」(報告書より)とした。
10年間で5千人以上減
■網走市の場合
同会議の報告書に記された「自治体の持続可能性分析結果リスト」によると、網走市は「消滅可能性自治体」とされた。また、「自然減対策が必要・社会減対策が極めて必要」な自治体に分類された。
リストでは2050年の人口も予測。網走市の場合、若年女性人口の減少率は、「移動想定人口」パターン(今の人口移動傾向がこのまま続いた場合)で50・1%減。総人口は2万1159人とされた。
今年4月末時点の網走市の人口は3万2376人。20年前は4万人を超えていた。同会議の予測を踏まえて分析すると、近年の網走市は20~25年スパンで1万人規模の人口が減少することになる。毎年500人ほどが減っていくわけだ。
ちなみに北見市は前回発表(2014年)では、「消滅可能性自治体」とされたが、今回は対象自治体から脱却した。
─・─・─・─・─
前回の発表後、当時の安倍政権は「地方創生」を打ち出した。水谷市長は安倍政権と〝息を合わせる〟ように、14(平成26)年11月の市長選(2選目、無投票当選)の公約主テーマを「人口減少社会への挑戦」「人口減少のインパクトの緩和」とし、市民に理解と協力を求めた経緯がある。
あれから10年が経過。今の水谷市長の口からは「人口減少社会への挑戦」という言葉は聞かれない。
網走市は何も手を打たず、「消滅」への道を歩み続けるのだろうか─。