市は日本水道協会北海道支部の要請を受け1月30日~2月7日(現地での活動は2月1日~5日)、4人の職員を七尾市に派遣。当初は2班体制で11日まで活動を予定していたが、同支部が復旧活動に軸足を移すことになり、5日で給水活動を終えた。
同市では浄水場や広範囲に及ぶ排水管の損傷で大規模な断水が長期化。職員によると家屋の倒壊や地盤沈下、道路の陥没や亀裂なども見られたという。
一行は3・5㌧の給水車とワンボックスの作業補助車を乗り入れて活動。病院や介護施設、市役所の受水槽への給水や避難所の住民への給水を実施。移動にはグーグルマップを活用し、千歳市の給水車とホースをつなぎ連携する場面もあったという。
職員は「自分達が体調不良や事故にまきこまれないことも大切だと感じた」「もう少しできることがあったのではないか」などと報告。辻市長は職員の活動をねぎらい「今回の経験を今後に生かしてほしい」と語った。
隊長を務めた高木伸彰水道課長は「現地では、降雪時や気温零度付近での活動も経験した。北見はさらに寒冷なので、冬季災害に備え給水設備や備蓄品の凍結対策などをさらに考えなければ」と話していた。
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市の基幹水道管の耐震化遅れが課題
災害に備え水の備蓄呼びかけ
同局の調べによると、地震災害に対する基幹水道管の安全性を示す「耐震適合率」は七尾市が21・6%、北見市が38・0%といずれも耐震化の遅れが目立つ。北見市で能登半島地震と同規模の地震が発生した場合、七尾市と同様に配水管からの漏水発生の恐れがあるという。政府目標の耐震適合率60%を達成するには、水道料金の値上げなど財源確保などの課題が伴い、厳しい状況だ。
一方、北見市の浄水施設の耐震化率は94・4%とほぼ完了しており、浄水施設が損傷する可能性は低いという。
同局は災害への備えとして3日分(1人1日3㍑)の水の備蓄を呼びかけている。(柏)