「6人集プラス追悼号2024春」発行

2024-04-12 掲載

(北見市/社会)

故・奥村昭平氏をしのび

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 北見と近隣の書き手の作品を綴った「6人集プラス追悼号2024春」号が発行された。1988年の同人誌発刊以来、36年にわたり編集長と発行者を務めてきた奥村昭平氏が今年3月、77歳で亡くなった。氏をしのぶ追悼文が寄せられている。

 レギュラー陣の竹江邦子、栗原春香、阪元篤、末松典明の各氏をはじめ小春、吉田点両氏合わせて6人がエッセーや創作、ノンフィクションを執筆した。

 奥村氏は北見市幸町の喫茶・チェーザレを独りで営んでいた。追悼文の冒頭で阪元氏は「古い将棋盤を載せた椅子の下で、胸に手を置き、穏やかな顔で横たわっていた」と報告。「無名の革命家として、個をつらぬいた人物」と振り返る。交友のあった松岡美雨、吉田点、石田薫雄の各氏も追悼文を寄せている。

 結びに、今号の発行者を務めた栗原氏は奥村氏について「求道者のような人」と回顧。奥村氏と2人で創刊した同人誌を取り上げ、「彼を一番わかってもらえるのではないか」と40歳くらいのときの奥村氏の原稿の一部を6㌻にわたり転載。

 創刊第2号に「まじわる城~後記」と題し、奥村氏は吉本隆明、江藤淳といった名だたる論客を見事なまでに論破。一方で「人間それぞれの時間はもともと一様でないし、まして文学は賃労働ではないのだから、資本の時間に同調する必然性もないわけで、むしろ、現在を意識しつつも、時間の並存を許容する方向に、文学的合意を形成する方が、人間の文学としては健康ではないかと思われるということである。その方が、おもしろいし、新しいのではないか…」<中略>」などと綴っている。

 今号はA5判174㌻。頒価700円。北見市内の福村書店、一部喫茶店で扱っている。問い合わせは栗原さん(0157-25-9986)へ。  (寒)

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