北見の仁頃山の麓にある通称「水溜まり沼」にエゾアカガエルが集まり、産卵の季節を迎えている。雄は雌を呼ぶため頬を膨らませて鳴いており、林内にラブコールが響いている。
体長5〜7㌢ほど。北海道に生息する在来種で、最も普通に見られるカエル。普段は森で暮らしているが、雪解けが進む春先に湿地や森の水辺に一斉に集まって産卵する。
沼では、たくさんの雄ガエルが「キャラララ、キャラララ〜」と鳥のような高い声で大合唱。数少ない雌を奪い合うように、近くで動く個体に反射的に飛びつくため、時には相手が雄というケースもあって面白い。
うまくいくと雄が雌の上に乗り、おんぶ状態になる(写真)。抱接(ほうせつ)と呼ばれる行動で、雌の産卵に合わせて雄は受精させるタイミングを待つ。
5月には無数のオタマジャクシが姿を見せ、春の水辺はさらに躍動する。 (理)