運転手は近年、全国的に担い手が不足し、路線の減便や廃止を余儀なくされるケースが相次いでいる。貨物・旅客運送などに従事する運転者の時間外労働を制限する、いわゆる「2024年問題」が背景にあるとされている。
美幌町は2022年度以降、事業者と就業者(運転手)への支援策を実施。事業者向けでは、2種免許取得費の半額支援、求人広告や面接旅費、相談会への参加費などの半額以内の支援を行い、就業者向けには転居費など最大20万円を支給したり、就職後1年過ぎるごとに24万円を最大3年間支給する支援金制度を設けている。町は「このまま運転手不足が続けば、路線バスだけでなくスクールバスの運行にも影響が出る恐れがある」と懸念する。
隊員の募集は4月に開始。現在まで1人の応募があり、近く面接が行われる。採用後は受け入れ先の阿寒バス株式会社美幌営業所、北海道北見バス株式会社美幌営業所、有限会社北光ハイヤーのいずれかに勤務する。町は雇用せず、受け入れ先の事業者が雇用する形になる。
運転業務に加え、就職説明会でのPRや、公共交通や運転手確保に対する改善策の提案なども行い、3年間の任期が終わった後も運転手として定着してもらいたい考え。町は「将来にわたって地域の公共交通を支える人材が来てくれたら」と期待する。(浩)