近年、管内の畜産牛で発生が急増する牛サルモネラ症の基礎知識や発生時の対応を学ぶ講習会が9日、北見市内のオホーツクJA Bldgで開かれた。
オホーツク家畜防疫推進協議会などが主催。管内の農協や行政関係者ら70人ほどが参加した。
網走家畜保健衛生所病性鑑定課長の小林亜由美氏は、牛サルモネラ症の概要や発生時の対応などを解説。
説明によると、牛サルモネラ症は、人獣共通感染症で家畜伝染病予防法では監視伝染病に位置づけられる。感染牛の糞便や汚染された飼料、水などを介して経口感染する。主な症状は発熱や下痢で、乳量が低下したり、重症化して死ぬ場合もあるという。
道内では2021年に64件、22年に152件、23年に168件と増加。管内でも21年に2件、22年に10件、23年に22件と急増している。
牛サルモネラ症が発生した場合の所有者の防疫対応として小林氏は、異常牛の早期発見と隔離、診療依頼、牛の移動自粛、牛舎の消毒などを紹介。
このほか、発症予防効果が期待されるワクチンについて「感染を防ぐものではないため、十分な対策をした上でワクチンを併用も検討を」と呼びかけた。(柏)