人口減に連動か
■初めてのこと
市内の町内会が加入する同市町内会連合会(町連)の事務局は、同市社会福祉協議会が担っている。同社協から提供された、2016(平成28)年から24(令和6)年までのデータによると、今年3月末時点の町内会数は199で、初めて200台を割込んだ=詳細は別表=。
16年は214あった。単純計算だが毎年、1つ以上の町内会がなくなっている。
町内会が減る理由として、進む人口減少がある。しかし、それだけではなさそうだ。
町内会加入率を見てみると、今年3月末時点は59・7%。過去8年で60%を下回ったのは初めて。つまり、人口減少に伴って世帯数も減ったから、町内会に加入する世帯も減った─とは簡単に結論づけられないわけだ。
町内会加入率60%を下回る
役員など担い手が不足
■解散の理由
同社協などによると、町内会がなくなる理由は「自主的な解散」がほとんど。解散する主な理由は、「(町内会長など)役員のなり手がいない」「会費の集金、広報誌の配付などを担う人がいなくなった」だ。
役員の後継者不足などに陥ってしまう理由の一つとして、町内会への未加入世帯が増えた─ということがある。町内会加入率を軸に考えると、地域の世帯数はさほど減っていないが、町内会に加入する世帯は激減している─ということになる。
〝不要論〟の払拭が課題
では、なぜ町内会に加入しない世帯が増えているのだろうか?
新興住宅街に住む男性市民(40代)は「町内会に加入する意味がいま一つ理解できない。町内会費を収めるメリットも感じられない」と話す。
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網走市の人口は減り続けている。今年4月末は3万2376人で、20年前と比べ9千人以上減っている。ハイペースな人口減少は、かつては地域コミュニティの維持・発展の中核を担った町内会の役割も変えつつある。
次回は町内会が解散してしまうことのデメリットなどを紹介する。