連載 消滅する町内会 (上)

2024-06-06 掲載

(網走市/社会)

~網走市の近況~

 網走市の町内会の減少ペースが加速する兆候にある。2024(令和6)年3月末時点での町内会数は過去8年で初めて200台を割込み、町内会加入率(全世帯数に対しての町内会加入数)も減り続けている。市民の一部には〝不要論〟もある中、人口減少社会においての町内会の役割などを調べてみた。 (大)

網走で減少加速の兆候 町内会数が199に

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人口減に連動か

■初めてのこと

 市内の町内会が加入する同市町内会連合会(町連)の事務局は、同市社会福祉協議会が担っている。同社協から提供された、2016(平成28)年から24(令和6)年までのデータによると、今年3月末時点の町内会数は199で、初めて200台を割込んだ=詳細は別表=。

 16年は214あった。単純計算だが毎年、1つ以上の町内会がなくなっている。

 町内会が減る理由として、進む人口減少がある。しかし、それだけではなさそうだ。

 町内会加入率を見てみると、今年3月末時点は59・7%。過去8年で60%を下回ったのは初めて。つまり、人口減少に伴って世帯数も減ったから、町内会に加入する世帯も減った─とは簡単に結論づけられないわけだ。

町内会加入率60%を下回る
役員など担い手が不足

■解散の理由

 同社協などによると、町内会がなくなる理由は「自主的な解散」がほとんど。解散する主な理由は、「(町内会長など)役員のなり手がいない」「会費の集金、広報誌の配付などを担う人がいなくなった」だ。

 役員の後継者不足などに陥ってしまう理由の一つとして、町内会への未加入世帯が増えた─ということがある。町内会加入率を軸に考えると、地域の世帯数はさほど減っていないが、町内会に加入する世帯は激減している─ということになる。

〝不要論〟の払拭が課題

 では、なぜ町内会に加入しない世帯が増えているのだろうか?

 新興住宅街に住む男性市民(40代)は「町内会に加入する意味がいま一つ理解できない。町内会費を収めるメリットも感じられない」と話す。

 ─・─・─・─・─

 網走市の人口は減り続けている。今年4月末は3万2376人で、20年前と比べ9千人以上減っている。ハイペースな人口減少は、かつては地域コミュニティの維持・発展の中核を担った町内会の役割も変えつつある。

 次回は町内会が解散してしまうことのデメリットなどを紹介する。

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