美幌警察署は5日、全国で拡大する投資詐欺の被害を食い止めるため、美幌高校の協力を得て、生徒の祖父母らに注意を促すはがきを送ってもらう啓発作戦に乗り出した。
投資詐欺は、交流サイト(SNS)を通じて架空の投資を求められるケースが横行。著名人の名をかたって信用させたり、恋愛感情を悪用して振り込みをさせる、いわゆる「ロマンス詐欺」などの手口などが目立っている。
美幌警察署によると、道内の投資詐欺被害額は4月末で約10億4千万円。約7億円で最多だった昨年1年間をすでに超えている。
オホーツク管内でも1月から3月にかけ、男性がSNSで知り合った相手に「暗号資産でもうける方法を教える」などと持ちかけられ、暗号資産合計260万円分をだまし取られる事件が発生。手口の性格上、都会と田舎に関係なく、スマホなどを持っていれば、誰もが被害のターゲットになる危険があるといえる。
今回の啓発は、SNSなどに日頃から親しむ高校生ら若者世代から、親や祖父母の世代に注意を呼びかけてもらおうと発案。上美幌駐在所の巡査部長らが高校を訪れ、生徒に「だまされて投資を続けてしまっている人は、洗脳されたような状態。ご家族が被害に遭わないよう呼びかけてもらえたら」と協力を求めた。
生徒たちは、祖父母ら宛てのはがきに「知らない人の誘いは信用しちゃダメ」などと書き込んだ。祖父宛てにはがきを書いた2年女子生徒は「お金を振り込む前に必ず家族に相談するようにしてほしい」と心配していた。
美幌警察署は「安易なもうけ話や、会ったことがない人のもうけ話は信用しないこと」と注意を喚起。詐欺に関することは警察の専用電話「♯9110」に相談するよう呼びかけている。(浩)