美幌町の高齢者が学ぶ明和大学の公開講座が19日、町民会館で開かれた。常呂高校元教諭が北見市常呂町にあるワッカ原生花園の魅力を紹介した。
明和大学、網走市寿大学の学生ら合わせて約100人が参加した。
テーマは「サロマ湖の自然に魅せられて」。元教諭は、センダイハギやアッケシソウ、ベニマシコ、ゴマフアザラシなど原生花園周辺で見られる花や動物などの魅力を写真と映像で紹介。上映時には特技のオカリナを演奏して会場を和ませた。
外来種のセイヨウノコギリソウが原生花園駐車場近くまで迫ってきていることや、エゾスカシユリの群落がエゾシカの食害で縮小していることなども紹介した。
群落縮小について「エゾシカによる環境破壊ととらえるか、エゾシカがいるのが自然ととらえて群生地縮小を受け入れるのか、いろいろな見方がある」と投げかけ「エゾシカの天敵であるオオカミを絶滅させた人間がある程度コントロールすべき」と話した。
原生花園で以前より減ったといわれるハマナスについても「砂嘴(さし)が成長しているので減るのは当然」と指摘した。
動植物のさまざまな生存戦略を紹介した上で「考えることが私たちの生存戦略。自分の正しさを疑い、他者の意見に耳を傾け、正しそうなものを模索する社会なのでは」と問いかけた。(浩)