北見工業大学の公開講座は10日、植物の動きや香りをテーマに北見工業大学工学部応用化学系バイオ食品コースの2人が講演。市民ら35人が受講し、ふだん当たり前に接している「植物はどうやって動くのか」「植物はなぜ香りをつくるのか」といった素朴な疑問について考えた。
筋肉や神経のない植物がどうやって動くのか?という疑問について、蔭西知子助教は植物の動く仕組みを解説。
葉を開いたり閉じたりするオジギソウを例に「何らかの刺激に応答して葉の内部の水が移動。その動きに沿って次々と葉を閉じる。貯水はカルシウムイオンが担っている」と説明し、閉じる理由については「その様子に天敵のバッタが驚いて、葉を食べなくなるからではないか」と分かりやすく説いた。
植物はどうして香りを作るのか?という疑問に対しては陽川憲准教授が「一生動かないで生活するため防カビ、防虫など多くの防御機能を持つ〝薬として武装〟するのではないか」と解説。研究室で栽培しているハッカを持参し、受講者に匂いの成分を合成、貯蔵する腺鱗(せんりん)と呼ばれる部分を確認してもらった(写真)。
陽川准教授は「このような植物の二次代謝物は香料や医薬品の原料として利用価値の高いものが多いが、作成するのは難しい」とし、研究対象に値すると熱っぽく語った。 (寒)