夏山シーズン本格化…増える遭難事故

2024-06-26 掲載

(美幌町/社会)

「山は逃げない、撤退する勇気持って」

 道内各地で山開きが行われ、夏山シーズンが本格化している。夏冬問わず、登山で起こりえるのが、遭難。道警北見方面山岳遭難救助隊の隊員に対策や心構えを聞いた。

道警北見方面山岳遭難救助隊

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 高木さんは2006年に道警入り。10年から、有事の時に出動する救助隊員を務めている。

 これまでの救助活動で印象に残るのは春の旭岳(東川町、標高2291㍍)。夜間、風速30㍍はあろうかという暴風が吹く中で、山頂付近にいる遭難者を見つけ、ツェルト(簡易テント)の中で数時間待機し、明るくなってから無事、搬送した。

強風や濃霧など悪天候時はGPSなど活用し
小まめに自分の位置確認を

 高木さんは「風が強いと、体が自然と風下側に流されてコースを外れることがある。風だけでなく、ガス(霧)が濃い時などはGPSや地図とコンパスを使って小まめに自分の位置がコースから外れていないか確認するのが大切」と話す。

 近年はスマホなど携帯端末のGPS精度も上がっているが「緊急時は通話などにもスマホを使わなければならないので、できれば独立したGPS端末を持つのが望ましいです。やむを得ずスマホを使うのであれば、余計な操作を控えるか、予備のバッテリーを準備してほしい」と話す。

 オホーツク管内は、斜里岳、羅臼岳と2つの日本百名山を抱える。百名山は遠方からの登山者が多いが、遠くから来ているせいか、道中で天候が悪くなっても「登ってしまおう」と考える人が意外に多いという。「気持ちは分かりますが、山は逃げない。次の機会に持ち越す勇気を持ってほしい」と訴える。(浩)

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