JA全中など主催。全国から186点、同部門には70点の応募があり、都道府県・ブロック審査会を経て、受賞者が決定した。
中村さんは畑作農家の4代目で、小豆のほか、ジャガイモ、ビート、秋まき小麦、スイートコーンなどを33㌶で栽培している。小豆はこのうち3㌶で、品種「エリモ167号」を作付けしている。高温による花落ちや登熟から収穫期にかけての降雨など全道的に不作だった昨年度においても全道平均の約2倍となる10㌃あたり306㌔の収量を確保した。
中村さんは、農薬や肥料、土壌改良剤とは異なる「バイオスティミュラント(BS)」と呼ばれる新たな農業資材を使った栽培が特色。BS資材は「人間に例えると漢方のようなもの」(中村さん)で、暑さや乾燥など自然界から受けるストレスを緩和し、作物本来の力を引き出す働きがある。
10年ほど前からBS資材を使い始め、試行錯誤を繰り返す中で「ようやく効果的な使用法がつかめてきました。化学肥料を使わない分、手間はかかりますが栽培の方向性は間違っていないと感じています」と手応えを語る。
また、昨年は例年より半月ほど早い9月中旬に収穫したことで残暑の影響を受けることなく高品質を維持し、選りすぐりのエリモ小豆による、きたみらい産ブランド「紅凛」にも認定された。
中村さんは「賞の大きさにプレッシャーも感じていますが、それも含めてやりがいは大きい。今後も高品質な小豆を消費者に届けられるよう努力したい」と語り「小豆栽培に限らず全体を通し、栽培管理の精度を高めることで今以上に家族の時間を増やし、次の世代が『農業は楽しそう』と感じられる働き方を目指したい」と話している。(理)