入学生確保に苦慮する常呂高校で8月26日、住民向けの地域説明会・懇談会が開かれた。道教委が再編整備(募集停止)の考え方や同校の現状を説明したが、町民から道教委の方針について厳しい指摘が相次いだ。
同校は近年、入学者数が10人前後で推移し、昨年度の入学生は6人、今年度は10人。道教委は入学者数(5月1日現在の第1学年在籍者数)が2年連続で20人未満の場合、再編整備(募集停止)を進める方針。ただし地域連携校※に指定されている同校の場合、2年連続20人未満でも集中取組期間を設けて再編整備を留保することが可能。同校は再編整備留保の位置付けが7年間続いている。
市教委と同校が主催する説明会には、30人ほどの町民が参加。道教育庁高校教育課の滝田尚誠課長補佐は「留保7年は前例のない長さで、一定期間改善が見られない場合は再編整備の可能性がある」と指摘。最短で2028年度の募集停止が示されるとし「入学生の20人以上確保が急務」語った。
森山忍校長は「厳しい状況だが、魅力のある学校だということを中学生に知ってもらいたい」と述べた。
存続へ「猶予期間を」「制度見直し」などの声
参加者からは「10人以上確保できれば存続できると受け止め、それを目標に取り組んできた。地域になくてはならない学校であり、猶予期間がほしい」「合理化ばかりでなく、新しい視点で制度の見直しを」「中学3年生の進路がほぼ決まっているこの時期に、20人に増やさなければならないと相談を持ちかけるのはどうか」など、困惑の声や存続を求める意見が相次いだ。 (柏)
※地域連携校=地理的状況などから再編が困難であり、かつ地元からの進学率が高い高校