救急救命士によると、実際に受けた不適切と取れる要請事例として、歯痛やすり傷などの軽いけが、タクシー代わりの要請などがあるという。これにより救急車が必要な人のもとに最短で向かうことができなくなってしまう。
救急救命士は「早期治療が遅れることで救急患者の社会復帰を妨げたり、助かる命を助けられなくなってしまいます」と警鐘を鳴らす。
一方、適切な要請事例は、突然の頭痛・胸痛や意識混濁、呼吸停止など。これらの症状は命にかかわる危険があるため、速やかな119番通報が必要。
そのほかの事例、症状などは総務省消防庁が定めた救急車利用マニュアルで確認できる(QR)。
救急救命士は救急車の適正利用について「本来なら助かるはずの命を助けられないことが何より悲しい。必要としている人のため、ご協力をお願いします」と理解を求める。
また、一般道路の交差点などで救急車に道を譲らない自動車や歩行者が増えていることも問題点として指摘。
「救急車は一刻を争う急病人を搬送しています。自身の安全を確保したうえで道を譲っていただけたら」と思いやりを持った協力を呼びかけている。 (結)