北見市防災協会主催の2024年度きたみ防災・減災フォーラムが9日、北見工業大学で開かれた。「あれから20年、100年に一度の大雪は明日かも」をテーマに、専門家の講演とパネルディスカッションが行われた。
北見工大の髙橋清教授は「自助、共助」をテーマに講演。自助と共助の意義について「生き残る力と生き延びる力」とし、「災害時には正常性バイアスにより自分の都合の悪い情報を無視したり、過小評価する傾向があるが、あらかじめ避難場所を決めたり、日ごろから「キキクル(危険度分布)※」を確認するなど『逃げるが勝ち』の意識付けを」と説いた。
同大学の白川龍生准教授は「冬の気象」と題し、2004(平成16)年の大雪災害時の気象状況、北見で大雪になる条件などを解説。「暴風雪災害は、外出せずに安全な場所にとどまることで被害を防げる場合が多い」と述べた。
北見地区消防組合消防署救急課の今正実課長は「平成16年大雪災害の対応について」をテーマに、当時の経験などを紹介。「救急車と消防車がペアで出動し、天候回復後、住民活動が再開してから除雪などに伴う重傷事故が多発した」と振り返った。
パネルディスカッションでは活発な質疑応答も行われた。白川准教授は近年の湿った雪について「温暖化による湿雪が新たな問題として出てきた。雪質の影響についても探っていかなければならない」と述べた。
※キキクル=大雨による災害発生の危険度の高まりを地図上で確認できる気象庁のウェブサービス(柏)