連載 サケ釣り啓発 同行ルポ ㊤

2024-09-19 掲載

(網走市/社会)

網走市が独自ルールを策定 釣り人の反応は?

 社会問題化する、一部のサケ釣り愛好家によるルール・マナー違反。網走市は独自ルールを策定するなどして対策を講じる。先日には独自ルールを理解してもらうため、水谷洋一市長を筆頭とする関係者が〝現場〟に出向き、啓発活動を行った。本紙記者も同行取材した。(大)

午前5時半、数十本並ぶ

釣り人に強い口調で理解を求める水谷市長(右) == 株式会社伝書鳩|経済の伝書鳩|北見・網走・オホーツクのフリーペーパー ==
釣り人に強い口調で理解を求める水谷市長(右)

■イタチごっこ

 網走市の独自ルールは「場所取り禁止」「釣竿は3本まで」「釣っていいのは3匹まで」などだ。背景には、市内のサケ釣りスポットに愛好者が大勢訪れ、海岸に釣り竿や場所取り用の木杭が乱立したほか、周辺の駐車問題などが顕著化してきたことがある。

 4年前、オホーツク総合振興局が中心となり、場所取り用の竿や杭の撤去に乗り出したが、最近は〝元の状態〟に戻りつつある。

 市は独自ルールの策定に合わせ、市内海岸のパトロールを強化。しかし、一部のルール・マナー違反者は自粛する兆しはなく、市内関係者は「イタチごっこが続くだけ」と嘆く。

■慌てる違反者

 市の独自ルール啓発活動は、9月13日に実施。地元の警察、漁協などの関係者が3班に分かれ、市内の北浜海岸や二ツ岩海岸などに出向いて理解を求めた。

 記者は〝鱒浦海岸班〟による啓発活動に同行。この班のメンバーには、水谷市長や網走漁協の新谷哲也組合長、網走署員らが含まれていた。

 当日、現地の集合時間は午前6時。記者が到着した午前5時半ころの海岸には、数人の釣り人がいることを確認できた。並ぶ釣り竿は数十本だった。

 この日の啓発活動は、釣り人に周知チラシを手渡し、独自ルールの内容や策定した背景などを口頭で伝え、理解してもらう─というスタイル。市の担当職員や網走漁協の新谷組合長らは率先してチラシを配布していた。

 チラシ配布の様子を取材していた記者は、離れた場所の海岸に差していた竿や杭などを慌てて撤去する人達がいることに気づいた。撤去を急ぐ人たちの姿を横目で見ながら、「この人たちの考えを聞いてみよう」と思い、取材を試みた。

 ─・─・─・─

 次回は、釣り人への取材内容などを紹介する。

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