
■存在せず
今回のプロポ審査では、10人の審査員(市職員6人、大学教授ら4人)の採点により、北見市の業者が委託業者に選ばれた。20年近くにわたり両施設の業務を担ってきた地元業者は次点(落選)となり、破砕リサイクル施設の従業員約30人を整理解雇・部署異動する措置を取った。
本紙は、今回の〝プロポ問題〟が浮上した以降、網走市役所にはプロポ実施のためのガイドラインや事務マニュアルは存在しないことを報じてきた。
先進自治体のガイドラインには、審査員の選考方法も明記される。一方、ガイドラインを持たない網走市の場合、今回のプロポ導入を表明した際(昨年12月)、審査員はすべて市職員で構成する考えだったが、市議会の指摘によって外部審査員を含めることなった経緯がある。
後藤副市長「検討進めたい」と応じ
中堅市議「遅きに失した感」
■一転
プロポは競争入札と異なり、市長や市職員の意向を反映しやすいため、行政側には公平性と透明性の担保が求められる。
4月25日の網走市議会・文教民生委員会で、金兵智則市議(民主市民ネット)は、公平性と透明性を担保するための「基本ルールは(市に)ない状況」と指摘。金兵氏の質問に対し、後藤利博副市長は「ガイドラインは作る必要があると思う。今後、検討を進めたい」と応じた。
金兵氏や所属する会派・民主市民ネットは、今回のプロポには賛成している。こうした〝立場〟が功を奏したのか、金兵氏は、後藤副市長から「ガイドラインの策定を検討する」との答弁を引き出した形となった。
金兵氏と後藤副市長との〝やり取り〟について、複数の中堅・ベテラン市議は「プロポ審査の前にやってほしかった」と口をそろえた。
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金兵氏の質問に対する後藤副市長の答弁内容は、水谷市長の考えである。ガイドラインを策定する考えを示したということは、自らの非を認めたとも受け取れるが、「遅きに失した感がある」(中堅議員)との声も聞かれる。