連載 サケ釣り啓発 同行ルポ ㊦

2024-09-20 掲載

(網走市/社会)

「全面禁止」など厳しい声も

 一部のサケ釣り愛好家によるルール・マナー違反行為の対抗措置として、網走市が導入した独自ルール。関係者による啓発活動に同行した本紙記者は、〝現場〟にいた釣り人に取材を試みたところ、「全面禁止にすればいい」などとの声を聞いた。また、啓発活動の様子を収めた動画を本紙公式SNS「X」(旧Twitter)に投稿したところ、予想を超える反響があった。  (大)

本紙公式Xに反響

本紙記者の取材に応じる男性(「X」より) == 株式会社伝書鳩|経済の伝書鳩|北見・網走・オホーツクのフリーペーパー ==
本紙記者の取材に応じる男性(「X」より)

■不満多く

 網走市の独自ルールは「場所取り禁止」「竿は3本まで」「釣っていいのは3匹」などとした。

 9月13日に実施された啓発活動中、海岸に打ち込んだ杭や竿を慌てた様子で撤去する数人の釣り人を目撃した記者は、この人たちに取材を試みた。

 場所取り用と思われる数本の釣竿を撤去していた男性は、独自ルールの内容については理解していた。男性は「みんな楽しみながら釣りをしているので、ルールはきつくない方がいい」との考えを示していた。

 別の男性は「ルールは賛成する部分はあるけれど、悪いところは声を出して反対する。(釣っていいのは)3匹じゃものたりない」と困惑していた。

 このほかの釣り人の意見として、「全面禁止にすればいい」「竿は3本以下で十分。場所取りは反対」などとの声が寄せられた。

■SNSの反応

 本紙は9月13日の朝、啓発活動の様子を収めた動画を「X」に投稿。反響は大きく、同18日午後3時の時点で「いいね」1368、閲覧数は17万となり、20件以上のコメントが寄せられた。

 コメントの大半は、市の独自ルールを守らない釣り人への批判だった。一方で、「ライセンス制にすればいい」「高い料金の駐車場を設ければいい」などの意見もあった。

 今回の啓発活動に参加した網走漁協の新谷哲也組合長は「意外と素直に我々がお願いしていることを受け入れてくれる人が多く驚いた」と振り返った上で、「今後も啓発活動を続けて理解を求めていくしかない」と話していた。

 ─・─・─・─

 独自ルールは網走市のほか、斜里町と小清水町でも導入した。まちの垣根を超えた試みは、問題の根深さを物語っている。

 ルール・マナー違反行為が後を絶たない状況が続けば、「全面禁止」は現実味を帯びることになるかもしれない。

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