係長は、全国的に火災原因の上位となっている電気機器に起因する火災について、主な発生原因や予防対策を解説した。
テーブルタップは能力範囲内で
複数の電気器具に電気を供給するテーブルタップについては、タップの定格電流を超える電気機器を接続すると、熱を持ち発火する危険があるという。係長は「便利なテーブルタップですが、くれぐれも能力をオーバーしないように」とアドバイス。また、配線コードをまとめて縛ったり、被覆内部の銅線を誤って傷つけると熱がたまり発火の恐れがあることも付け加えた。
係長は「ドライヤーなど消費電力が大きい製品はテーブルタップに接続せず、直接コンセントに接続を。家庭にある家電の消費電力を一度確認してみて」と求めた。
古い扇風機のモーターから出火した事例を紹介し、扇風機や換気扇、エアコンなど経年劣化による事故が起きやすい製品に表示が義務付けられている「長期使用製品安全表示制度」についても説明。「あまり古い家電製品は買い替えも検討して」と呼びかけた。
コンセントのトラッキング現象
長期使わない時はプラグ抜いて
コンセントに起因する「トラッキング現象」については、差しっぱなしのコンセントと電源プラグの間にほこりなどが溜まることで電気の通り道(トラック)が出来、電気が短絡(ショート)して発火するメカニズムを解説。「電気機器を使用しなくても電気が流れる場合があり、長期間機器を使用しない場合はプラグを抜きましょう」と促した。
スマートフォンやノートパソコンなどに使用されるリチウムイオン電池にも触れ、落下などの衝撃や非純正品のバッテリー使用などで火災が発生する場合があると述べた。
建物火災が起きたら煙を吸わない行動を
万一火災が起きた場合の対処方法として「建物の火災では煙(一酸化炭素)の危険が大きい。煙は空気よりも軽く、建物の上から溜まっていくので姿勢を低くし、まず煙を吸わない意識付けを」と求めた。
衣服に火がついたら「ストップ・ドロップ&ロール」
また、調理中などに誤って衣服に火が着いてしまった場合の対処法「ストップ・ドロップ&ロール」を紹介。「ストップ」は、動き回ると火が燃え広がるのでその場を動かず立ち止まる。「ドロップ」は、燃えている箇所を抑え込むように床に伏せる。「ロール」は倒れた状態で転がりながら消火する。係長は「日本ではあまり知られていませんが、アメリカでは幼少期に教えられている対処方法です」と説明した。(柏)