■周辺の反応
東藻琴地区の住民らによる「ごみ処理施設を考える会」はこれまでに、焼却施設建設の再検討を求めるチラシを2回にわたり、同町内に配達される朝刊2紙に折り込んだ。また、同町を除く1市4町の首長と議会にも、東藻琴地区で反対の声が広がっている現状を伝える説明文書とチラシを送付した。
大空町のこうした動きについて、関係する他の市町の心境は複雑だ。
A自治体のベテラン議員は「大空町の『住民との合意形成はできた』とする報告を踏まえ、わがまちでは焼却施設建設に向けた議論を進めている」と静観の姿勢だ。
ただ、本紙取材では、「大空町は本当に大丈夫なのか」「合意形成できているのか」「明確に反対する住民の声は無視できないのでは」などと不安視する声も少なくない。
各首長が参加した住民説明会開けるか
■実現できる?
大空町は10月2日、住民からの要求に応じる形で東藻琴地区での説明会を開催(62人参加)。11人が質問をし、すべて焼却施設の建設に反対するスタンスだった(※本紙ウェブサイトに発言録を掲載)。
松川一正町長はこの説明会で、大空町役場の説明だけでは不十分だとする質問者の要求に応じる形で、1市5町の首長を交えての説明会を開催する考えを示した。
もし、大空町主催の住民説明会に、1市5町の首長が出席するとなれば、異例中の異例となる。
A自治体の関係者は「わがまちの首長がほかのまちの説明会に出向き、よそのまちの住民の不満や疑問に答えるのは筋違い。実現は難しいと思う」と困惑する。
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松川町長が考えを示した〝1市5町の首長が出席する説明会〟は実現するのか?。実現できなければ、住人との約束を反故したことになり、不信感がさらに広がるのは必至だ。
大空町は今後、地元住民や1市4町に対して「住民の合意は得た」とする明確な根拠を示すことができるのか注目される。