釧路北陽高校の教員で道東の野生動物や自然などを撮影する写真家、柳楽航平さん(30)のトークショーが16日、置戸町中央公民館で開かれた。町内外から約40人が訪れ、撮影エピソードや写真への思いに耳を傾けた。
第48回町民文化祭特別企画。柳楽さんは島根県出身。野付半島や釧路湿原などでエゾシカを中心に撮影している。角をぶつけ合う2頭のエゾシカを撮った「交剣知愛」で、第38回日本の自然写真コンテスト・デジタル部門の最優秀賞を受賞するなど、数々の受賞歴を持つ。
柳楽さんにとってエゾシカは「知れば知るほど魅力的な動物」。特に四季折々に変化を見せる角に季節の巡りを感じるという。北海道に数多く生息する身近な動物のため「誰でも撮れる」と言われることもあるが、だからこそ「誰でも見られない景色を」という思いを込め、シャッターを切っていると話した。
勤務先では熱心に写真に取り組む生徒もいて「写真を通じて地元を知ってくれることが嬉しい」と教員としての横顔をのぞかせる。よそ者視点で見ると、どの地域も魅力的であるとし「子ども達に地元を好きになってほしい」と語った。(理)