■慣例
3年前、本紙は水谷洋一市長が市議会定例会の開会中、マイカーを網走市役所の駐車場に2週間ほど駐車していたことを報じた。水谷市長は取材に対し、「駐車場は市民みなさんのもの。(今後、マイカーの駐車は)改めたい」と答えてくれた。
しかし、その後も、市職員による〝マイカー駐車問題〟は度々、発覚する。
網走市には独特のルールがある。市議会定例会の開会中、市役所駐車場に停めてある公用車(13台分)は別の場所に移動され、移動後のスペースは市議のための優先駐車場となる。
このルールは、定例会開会中は「市議の車は公用車である」との考えに基づいている。ルール導入の背景には、20年以上前(当時の網走市議の定数は26人)に、定例会に出席するために車で来庁した市議が駐車場が満杯で停められなかったことがあるようだ。
■続くの?
現在の市役所本庁舎の来庁者用駐車場は59台分。来年2月に供用開始予定の新庁舎は来庁者用72台、公用車用13台分を確保している。
新庁舎駐車場の収納台数はけっして多いとは言えない。市議のための特別ルールは継続されるのだろうか?
取材すると、市議のための特別ルールの継続可否については庁内で検討中のようだ。幹部職員の1人は「新庁舎では現在の特別ルールの継続は難しいのでは」との見解だった。
ベテラン市議は本紙取材に対し、「新庁舎の供用開始を機に特別ルールは廃止すべき。新庁舎の近くにある市民会館の駐車場を私費で借りるなどして対応することも考えている」との考えを示していた。
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市民の「不公平感」払拭を
今回の取材は、「市役所の駐車場は誰のものなの?」といった本紙読者からの素朴な疑問をきっかけに始まった。疑問を持つ市民感情の根幹には「強い不公平感」があるように感じた。
新庁舎の供用開始が迫る中、市職員の接遇マナーの向上などを含めた、水谷市長の舵取りに期待がかかる。