増加するエゾシカとの交通事故を防ごうと、美幌警察署は10月31日、警察署で住民らを対象に講習会を開いた。参加者はドライブレコーダーの映像を元に注意点を学んだほか、ヘッドライトの〝蒸発現象〟なども見学した。
美幌警察署管内では2025年に入り、エゾシカとの衝突事故が49件発生。24年の32件に比べ約1・5倍に増えている。
交通事故の捜査などを担当する同署地域・交通課の田岡美月巡査部長が、エゾシカと車両の衝突が記録されたドライブレコーダー映像3本を紹介。「スピードの出し過ぎ」「会話に気を取られていた」などの原因を解説した。
残る1本の映像では「ライトをハイビームにしていたら、もっと早くシカを発見して事故を防げていた」と指摘。「ハイビームにすることをためらう人が多いが、ハイビームは『走行用前照灯』、ロービームは『すれ違い用ライト』」とし、正しく切り替えながら積極的に使うようすすめた。
この後、警察署裏の駐車場で、自車と対向車のライトの中間地点にいる歩行者が見えなくなる蒸発現象を署員が再現。ハイビームとロービームの照射範囲の違いなども示した。参加者は「蒸発現象は本当に見えなかった。注意して運転したい」などと感想を述べていた。 (浩)

