訓子府中学校で10日、1日防災学校が開かれた。全校生徒92人が参加。簡易トイレ、発電機の使い方などを学び、災害時の望ましい対応法を身につけた。
講義では、北見の日本赤十字北海道看護大学の根本昌宏教授が能登半島地震の際、派遣された被災地での体験や実際に起こった問題などを解説。
簡易トイレや段ボールベッドに触れ
日赤道看護大・根本教授「今後に生かして」
能登の避難所では亡くなる人や体調不良者が多かったとし「停電や断水は特に深刻。冬は低体温症、夏は脱水症の原因につながる」「避難生活はトイレにはじまりトイレに終わる。『使いたくないトイレ』は作らないことが重要」と強調した。
生徒達は各学年ごとに段ボールベッドのを組み立て、介助者・要介護者に分かれて使用感を確認したほか、簡易トイレのセットなどを体験(写真上)。真剣な面持ちで臨んでいた。
発電体験では、1人ずつスターターロープを引いて起動。苦戦する友達に「もっと強く引いてみて」とアドバイスする姿が見られた。
根本教授は室内で使用して中毒死した例を出し「起動したら排気口から大量の一酸化炭素が排出される。屋外での使用を徹底して」と注意喚起。測定器を当てると大きな警告音が鳴り響いた。
参加した1年生は「段ボールベッドの作り方など、勉強になりました。今後の自信につながります」とこの日の体験を振り返った。
根本教授は「今日教えたのは被災地の『リアル』。ただの体験ではなく、スキルとして今後に生かしてほしい。社会を守れるような人になってください」と述べた。(結)