20年前に59歳で亡くなった母の真田豊子さんと、娘で北見在住のリース作家・小夜さんによる作品展「母のドールとわたしのリースと」が、北網圏北見文化センターラウンジで開かれている。豊子さんが制作し、遺した愛らしいロマンドールとそれぞれの人形をイメージして小夜さんが作ったリースなど18点が並んでいる。26日まで。月曜休館。
豊子さんは55歳でがんを発症してから、北見市内のロマンドールの教室に通い、人形を制作していたという。「人形に向き合って没頭することで、病気を忘れられたのかもしれません」と小夜さんは話す。
8年前に父が亡くなり、実家を片づける時に形見分けとして三姉妹で豊子さんの作った人形を分けたそう。「人形はとてもきれいな状態でした。母が発症した年齢に私が近づいてきて、母の人形をみなさんに見てもらいたいとの思いがわいてきました」と作品展を企画。作品展に向け、人形の壊れていたところを直す作業に「母と対話しているようでした」と振り返る。
会場には、特殊な粘土で作る繊細で優しい表情の豊子さんのロマンドールと、人形の雰囲気に合うようにと小夜さんが作ったラベンダーやアジサイのリースをはじめ、小夜さんが「プリンセス」と名付けた豊子さん最後の作品などが並ぶ。また、小夜さんが宝物にしている豊子さんからプレゼントされたロマンドールのリースやリース作りを趣味にしていた父の作品も一緒に展示した。
小夜さんは「20年、8年越しの作品展。母の人形を皆さんに見てもらえたら幸せです」と話している。(菊)