■決算審査
新庁舎の建設地に隣接する、南4条通り商店街(アプト・フォー)に2年前に開店したコワーキングスペース「ナシタ」。インターネットの利用環境が整備され、出張ビジネスマンの仕事スペースなどとして利用されている。
運営は、同商店街の店舗が加盟する中央商店街振興組合の関係者が社長を務める「株式会社まちなか網走」が担う。スタッフとして、地域おこし協力隊員2人が勤務する。
「ナシタ」の開設・運営には市の公金が投入されていることから、今年9月の市議会・決算審査特別委員会では、2023(令和5)年度の実績などについて複数の市議が質問した。
市によると、23年度の利用者は3343人で、利用料収入は47万5400円となっている。
■1千万円
市は、今年度の当初予算に「中心市街地活性化対策支援事業」として約1千万円を計上。その8割は、ナシタで働く地域おこし協力隊員の人件費と活動費に充てられる。
同支援事業の予算には「商店街リーダー育成事業」(20万円)が含まれる。23年度は、同振興組合の関係者が、札幌市などを視察。北広島市ではプロ野球の日ハム専用球場「エスコンフィールド」を訪れ、完全キャッシュレス化について学んだという。
市によると、エスコンフィールド視察の際は、球場関係者らとの面談はなく、球場の見学のみだった。
■激減の歩行者
人口減少対策として、市が策定した「第2期総合戦略」(戦略期間2020〜2024年度)。戦略では、中心市街地の歩行者数の目標値を「年間で平日3千人、休日2千人」としている。しかし、実態は大きくかい離している。
市によると、23年度の歩行者数は「平日765人」「休日347人」。5年前と比べ、「休日歩行者」は半分以下となっている。
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新庁舎の供用開始後、中心市街地はどのように変わるのか。新庁舎の建設地を中心市街地に決めた水谷市長。『網走市の顔』として位置付けられる南4条通り商店街が今後、どのように活性化するのか注目される。