
■569万円
新庁舎は今年2月25日に供用開始。敷地にある駐車場はイベント会場ともなり、隣接する商店街アプト・フォー(南4条通り商店街)の活性化にもつなげる狙いで設計された。
市は今年度当初予算に、「新庁舎開庁記念事業」として569万円を盛り込んだ。事業の目的は、「7月の夏まつりまでの期間にイベントを開催します。イベントを通じて新庁舎を利用した自主的な利用を促進します」(市の資料より)とした。
同記念事業によるイベントはこれまで、4回開催された。「祝いの広場」や「音楽の広場」「遊びの広場」などで、最も来場者が多かったのは、今月14日に開催された「日ハム戦のパブリックビューイング」で、約700人が足を運んだ(主催者発表)。
■通行者
これまで開催された開庁記念事業のイベントの主催者は、市や市民団体、日ハム網走後援会。商店街アプト・フォーの店舗からなる中央商店街振興組合が主催するイベントはまだ開催されていないが、新庁舎や駐車場でのイベントは商店街の通行者の増加につながっているはずだ。
商店街アプト・フォーを含む中心市街地の通行者数は毎年、調査されている。
2023年(令和5)年度の通行者数は「休日347人」「平日765人」だった。5年前は「休日709人」「平日1343人」で、減少傾向に歯止めがかからない状況が続いている。
新庁舎の供用開始に伴った関連イベントの開催により、地元商店街の通行者は増えているのだろうか?
今年の通行量調査は10月に
「市職員分の増加は間違いない」
市の担当者は「今年の通行者の調査は10月に実施を予定している」とし、直近の通行者増減についての分析はできていない状況だ。
一方、地元商店街の関係者は「イベントの効果は一過性。日々の通行者の増減については、庁舎に通う市職員〝約350人分〟が増えたということは間違いない」と話していた。
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新庁舎の誕生に伴い、閉塞感の漂う網走市に〝新しい風〟が吹くと期待した市民は少なくない。しかし、大きな変化を感じていない市民も少なくないようだ。